2011 Fiscal Year Annual Research Report
C1導入を伴うスズフリーラジカルプロセスによる生理活性複素環構築手法の開拓
Project/Area Number |
21790013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 健一 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (00335184)
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Keywords | ラジカル / C1単位 |
Research Abstract |
我々がこれまで行ってきたジメチル亜鉛を開始剤として用いるエーテルラジカルの発生、及び反応開発の成果を礎として、我々の見いだしたスズを用いない温和なアシロキシメチルラジカルの発生法の適用範囲を拡大し、合成化学的有用性を向上させることを目的とし、昨年度は以下の成果をあげた。 1.メチル亜鉛を開始剤としてヨードメチルエステルから発生させたアシロキシメチルラジカルをアルキリデンマロネートに共役付加させたところ、空気中で反応を行なうとβ位がアシロキシメチル化されただけでなく、α位もヒドロキシメチル化された生成物が収率良く得られ、アルゴン雰囲気下で行なうとα位のヒドロキシメチル化が抑制され、β位のアシロキシメチル化だけが進行した生成物が主生成物として得られる。本反応の最適化を行ない、反応の高効率化に成功した。さらに、本反応を応用して生理活性リグナン類であるヒノキニンの短段階合成に成功した。 2.トリエチルボランを開始剤に用いるヨードアルキル類から発生させたアルキルラジカルの付加反応において、N-アルコキシカルボニルイミンが一般性高く、高収率で付加体を与えることを見いだした。また、付加したアルキル基やイミンの置換基の構造が、本反応の副生成物であるイソシアナートが生じる温度に大きく影響を与えることが分かった。 3.N-ヨードメチルイミド、N-ヨードメチルアミドから発生させたイミドメチルラジカル、アミドメチルラジカルのイミンへの付加反応を検討した。その結果、電子求引性イミド基の影響によりイミドメチルラジカルの求核性が著しく低下しており、アミドメチルラジカルの反応と比べて得られる付加体は低収率であった。
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Research Products
(6 results)