2009 Fiscal Year Annual Research Report
官能基化トリメチルシリルジアゾメタンを活用する実践的合成反応
Project/Area Number |
21790021
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
張 功幸 Osaka University, 薬学研究科, 特任准教授 (50347423)
|
Keywords | トリメチルシリルジアゾメタン / 複素環合成 / インダゾール / ベンゾフラン / アシルシラン |
Research Abstract |
最近、研究代表者は反応剤としてジアゾ(トリメチルシリル)メチルマグネシウムブロミドを独自に開発し、この反応剤とカルボニル化合物の反応により、官能基化トリメチルシリルジアゾメタンが簡便に合成できることを見出した。私たちは、得られる官能基化トリメチルシリルジアゾメタンを活用することで様々な誘導体の効率的合成を達成できると考え、本研究では官能基化トリメチルシリルジアゾメタンを活用する実用的合成反応の開発を目指した。本年度は、まず官能基化トリメチルシリルジアゾメタン合成の汎用性の検討を行い、より広範囲のカルボニル化合物に適用できることを見出した。また、汎用性検討の過程において、反応温度を上げることでo-アニシルオキソアセタート類からベンゾフラン類が得られるといった新規合成反応も見出した。次に、官能基化トリメチルシリルジアゾメタンを用いた合成反応として、3-置換ピラゾールおよびその多置換誘導体の合成を検討した。その結果、(o-トリメチルシリル)アリールトリフルオロメタンスルホナートより発生したベンザインと官能基化トリメチルシリルジアゾメタンの分子間[3+2]環化付加反応により対応する3-置換インダゾールを効率的に合成することに成功し、カルボニル化合物からの2工程合成法の確立に成功した。さらに、官能基化トリメチルシリルジアゾメタンの酸化反応により、合成中間体として有用と考えられる官能基化アシルシランが合成可能であることを見出した。
|