2009 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエを用いた新奇プロテアソーム機能調節因子の探索
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21790064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱崎 純 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (80533588)
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Keywords | 分子生物学 / プロテアソーム / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
プロテアソームは真核細胞内に必須の蛋白質分解酵素であり、近年高等動物ではプロテアソームが多様性を獲得し、高等動物特有の生命現象に重要な働きをしていることが明らかになり始めている。その中でもヒトにおける病態とプロテアソームの質的・量的異常の関連が注目を浴びているが、これまで研究が進んでいた酵母におけるプロテアソーム制御システムは必ずしも高等動物に当てはまらず、高等動物におけるプロテアソームの動作原理は未解明の部分が多かった。そこで、申請者はショウジョウバエを用いた遺伝学的手法により新奇プロテアソーム制御因子を探索することにより、高等動物特有の質的・量的制御機構を明らかにすることを目的とした。さらに、得られた知見をもとに、ヒトの疾患におけるプロテアソーム機能異常について新たな視点からの理解およびプロテアソームを標的とした創薬に関する分子基盤を提供することを将来的な目標とした。 まず、いくつかのプロテアソーム関連因子についてUAS-GAL4システムを用いたRNAi系統の表現型を観察し、プロテアソーム構成サブユニットが示す表現型よりもマイルドな表現型を示すことを発見し、これら系統を用いてRNAi系統ライブラリーとの交配により表現型の回復、増悪化を指標にしたスクリーニングを行なった。 また、degron-GFPを用いた個体でのプロテアソーム活性の観察について、これまで複数のRNAi系統、GAL4ドライバーとの多重交配により観察に適した条件を検討中である。 さらに、RNAi系統ヘアミノ酸アナログや熱ショックなどのストレスを与えることによる表現型の変化について、検討を行なった。ストレス付加の効果や表現型に及ぼす影響について現在確認中であり、最も効果的なストレス源の選択を行い、スクリーニングや表現型解析におけるシステムを樹立する計画である。
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Research Products
(2 results)