2010 Fiscal Year Annual Research Report
Fcドメイン含有タンパク質の生体内分布・分解と半減期に関する研究
Project/Area Number |
21790172
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
鈴木 琢雄 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 主任研究官 (10415466)
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Keywords | FcRn / Fc受容体 / 半減期 / 分布 / 抗体医薬品 |
Research Abstract |
Fcドメイン融合タンパク質医薬品(エタネルセプトやアレファセプト等)は、多くの抗体医薬品と比較して血中半減期が短い。この原因の一つとして、抗体等の分解抑制に関わるFc受容体(FcRn)に対する親和性が、Fcドメイン融合タンパク質では低いことが挙げられる。しかし、生体内分布の違いやFcRnと関連しない分解経路なども血中半減期の違いに関与している可能性が考えられる。また、FcRnとの親和性の違いが体内分布に与える影響についても研究が進んでいない。本研究では、蛍光標識体を用いたin vivoイメージング技術を開発することにより、抗体と融合タンパク質の生体内分布、分解の違いとその要因を明らかにすることが目的である。なお、抗体等の標識にFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)などの手法を用いることにより、抗体や融合タンパク質とその分解物を分離して解析することを目指している。 平成22年度は、平成21年度に開発したSPRによるマウスFcRnと抗体等の親和性解析系の最適化を行った。結合標的が同一(TNFα)である抗体(インフリキシマブ、アダリムマブ)と融合タンパク質(エタネルセプト)について解析した結果、ヒトFcRnと同様マウスFcRnもエタネルセプトに対する親和性が低かったため、これらの医薬品を蛍光標識してマウスに投与し、分布、分解について比較を行うこととした。蛍光特性の異なる各種蛍光物質を2種類組み合わせたFRET型の標識体を作製し、in vivoイメージング装置で解析した結果、抗体や融合タンパク質とその分解物を分離して観察可能であることが示唆された。現在これらの標識体をマウスに投与し、適切な観察条件について検討を行っている。
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Research Products
(2 results)