2010 Fiscal Year Annual Research Report
オートファゴソームの膜の由来に関する超微形態学的研究
Project/Area Number |
21790191
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小池 正人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80347210)
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Keywords | カテプシン / オートファジー / オートファゴソーム / 隔離膜 / LC3 / ユビキチン / p62 / NBR1 |
Research Abstract |
リソゾームプロテアーゼの一種のカテプシンDの欠損マウスは、神経性セロイドリポフスチン蓄積症(NCL)の1型CLN10のモデルマウスである。蓄積物であるgranular osmiophilic deposits (GROD)はリソゾームと同じ一重の限界膜を持つ構造物であるが、GRODそのものがしばしば二重膜で取り囲まれていることに気付いた。中枢神経系特異的Atg7ノックアウトマウスとカテプシンD欠損マウスとのダブルノックアウトマウスを用いた結果、この二重膜がオートファゴソーム由来であることが明らかとなり、GRODが選択的にオートファゴソームに取り囲まれている可能性があることを示唆している。実際、これまでに、GRODの表面がユビキチンにより修飾され、さらに選択的オートファジーに関わり、ユビキチンとオートファジーに必須なLC3と結合するp62も局在することを見出している。今回、p62と同様にユビキチンとLC3とに結合する分子として同定されたNBR1に対する特異的抗体を用いて免疫組織化学を行ったところ、NBR1もp62と同様GRODに強い局在を示すことが分かった。p62とカテプシンDとのダブルノックアウトマウスを作成し、電子顕微鏡で観察しても、GRODは依然オートファゴソーム様の二重膜により取り囲まれているが、このダブルノックアウトマウスの脳組織においてもNBR1の強い顆粒状の反応が認められることから、カテプシンD単独欠損マウスにおいては、p62とNBR1がGRODの選択的オートファジーに対して相補的に働いている可能性が示唆される。
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