2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790271
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前川 桃子 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特任研究員 (50528742)
|
Keywords | iPS細胞 / HTS / 遺伝子 / 化合物 / 天然物 |
Research Abstract |
1. 遺伝子ライブラリーを用いて新因子の探索 iPS細胞では因子導入による原癌遺伝子Klf4やc-mycの活性化という腫瘍形成リスクがある。臨床応用を考えるとき、癌に関連しない遺伝子を用いる必要がある。現在のところ、c-mycなしの3遺伝子によって効率は低いながらiPS細胞を誘導することが可能だが、Klf4は必須である。Klf4の代替となる遺伝子を探索した結果、複数の候補遺伝子を見つけることができ、今後、これら候補遺伝子について詳細な解析を行う。 2. 遺伝子の代替となる天然物・化合物を探索 レトロウイルスを用いて遺伝子を導入するiPS細胞誘導方法では、レトロウイルスがゲノムに挿入され、遺伝子破壊とトランスジーンの再活性化による腫瘍化のリスクを上昇させること、さらに誘導効率が非常に低いことが問題点としてあげられる。これは、遺伝子を複数種類使用しており、一つの細胞に、必要な遺伝子全てが必要数導入される確率が非常に低いためと考えられる。全遺伝子を天然物・化合物に置き換えることが理想だが、一つでも二つでも置き換えることができるとより均一に効率よく誘導できると考えられる。よって、遺伝子の代替物としてiPS細胞誘導に寄与できる天然物や化合物の探索を行ってきた。平成21年度はKlf4の代替物となりうる天然物のスクリーニングを行い、今後はOct3/4の代替物について進めていく。 3. レトロウイルスを用いないiPS細胞誘導方法の効率を上げる天然物・化合物の探索 レトロウイルスを用いないiPS細胞誘導効率は、従来のあまり効率の良くない方法に比較して、さらに低い。また、この方法はマウス胎児の細胞でのみ成功しており、大人のマウスやヒトでも可能か検討が必要とされてきた。平成21年度は、大人のマウスからレトロウイルスを用いない方法でiPS細胞を誘導する際、それを助け、促進する化合物のスクリーニングを行った。
|
Research Products
(4 results)