2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790284
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
嶋 雄一 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 助教 (80425420)
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Keywords | ライディッヒ細胞 / Ad4BP / SF-1 / 発生 / 分化 / 転写 / マイクロアレイ / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
申請者らは本年度に核内受容体Ad4BP/SF-1の胎仔型ライディッヒ細胞特異的エンハンサー領域を同定し、このエンハンサーを用いてEGFP発現マウスを樹立した。さらにこのマウス系統の精巣からセルソーティングによって胎仔型ライディッヒ細胞を回収し、同時にPercoll密度勾配遠心によって調製した成獣型ライディッヒ細胞とともにマイクロアレイ解析を行うことで、発生時期特異的な胎仔型ライディッヒ細胞の遺伝子発現プロファイルと、胎仔型ライディッヒ細胞と成獣型ライディッヒ細胞の差異を明らかにした。マイクロアレイ解析の結果から、これまでによく知られている胎仔型ライディッヒ細胞特異的遺伝子はもちろんのこと、これまでほとんど知られていなかった胎仔型ライディッヒ細胞特異的な遺伝子を同定した(未発表)。これは胎仔型ライディッヒ細胞の未知の機能に関連している可能性が高く、平成23年度にこのような遺伝子の機能解析を予定している。 また、細胞系譜の追跡実験により、胎仔型ライディッヒ細胞と成獣型ライディッヒ細胞が異なる細胞系譜であることを明らかにした(未発表)。これは、マイクロアレイにおける胎仔型ライディッヒ細胞と成獣型ライディッヒ細胞の差異とあわせて、胎仔型ライディッヒ細胞が進化の過程で独自の機能・独自の遺伝子発現パターンを獲得したことを推測させる結果であり、今後の解析により胎仔型ライディッヒ細胞の独自の機能が世界で初めて明らかになると期待される。
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