2010 Fiscal Year Annual Research Report
チェルノブイリコホートの全ゲノム解析による放射線誘発甲状腺がん感受性遺伝子の同定
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21790337
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 めい子 京都大学, 医学研究科, 助教 (20372592)
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Keywords | GWAS / 甲状腺がん / SNP |
Research Abstract |
我々はチェルノブイリ原子力発電所の事故により乳幼児期に放射能被爆を受けたベラルーシ人から、早発型甲状腺乳頭がんの患者群の検体と、その患者と年齢、性別、被爆時の居住地が一致する健常者群の収集をし全ゲノム関連解析(GWAS : Genome Wide Association Study)を開始した。 一次スクリーニングとして患者187検体、対照群172検体のDNAを用いて行ったGWAS結果により選択されたSNPsに関して統計解析を行い、患者集団内での頻度が統計学的有意に達するSNPがあるかを検討した。二次スクリーニングには患者214検体、対照群448検体を用いてGWASを実施した。一次、二次で有意差の得られたSNPについては、それを含むハプロタイプの頻度に差があるか否かを検討した。その結果、p=6.4x10^<-5>を含む6個(9番染色体に4個、12番染色体に2個)の潜在的有意差を持つSNPが得られた。候補として選ばれた6 SNPsについて新たな患者259検体、対照群648検体用いて三次スクリーニングを行った。タイピングには、Taqman法を用いた。結果をデータベースに取り込み統計解析を行い、三次スクリーニングでも有意差を示したSNPが一つ得られた(p=3.3x10^<-3>)。一次から三次スクリーニング各々の結果を用いてメタ解析を実施した結果、強い関連を示すp=2.3x10^<-7>が得られた。今後は、早発型甲状腺乳頭がんの患者群の検体と、その患者と性別、年齢、被爆時の居住地の一致する健常者群の収集をベラルーシで続けるとともに、ウクライナからも収集し始める。今回得られた結果は再現性を確認する必要があるため、研究全体を通して検体数の増加(約1,500検体ずつ)につとめる。
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Research Products
(1 results)