2009 Fiscal Year Annual Research Report
エンドトキシンショックにおけるATPのマクロファージ活性化メカニズム
Project/Area Number |
21790381
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川村 宏樹 Niigata University, 医歯学系, 講師 (20333495)
|
Keywords | ATP / LPS / マクロファージ / IL-1β / MIP-2 / エンドトキシンショック |
Research Abstract |
本研究は、エンドトキシンショックモデルマウスを用いて、エンドトキシンと傷害された細胞から放出されたATPによるMφの活性や敗血症性ショックの発症メカニズムの経路を検討している。本年度は、チオグリコレート(tioglycollate : TG)をマウスに接種し、腹腔内に浸潤したMφ(PEMs)を用いてin vitroで以下を解析した。 I. LPS/ATP刺激によるPEMsからの炎症性サイトカイン産生 PEMsをLPSまたはLPS/ATP共刺激培養をおこない、上清中の炎症性因子の産生亢進を測定した。その結果、,IL-1βはLPS刺激またはATP刺激のみでは産生が認められず、LPS/ATP刺激で産生が認められた。TNFαはLPS刺激のみでも産生が認められ、ATP補助の必要が無いと考えられた。それに対して、MIP-2はATP刺激のみでも産生されたことから、ATPによる好中球誘導が示唆された。 II. LPS/ATP刺激によるPEMsからの炎症性サイトカイン産生シグナルの検討 上記のIの検討より、ATP刺激が関与するIL-1βとMIP-2の産生に関与するシグナル経路を検討した。その結果、両サイトカイン共にフーサイトメーターとインヒビターを用いた解析により、ERK1/2とp38 MAPKの活性化が上昇していた。 本検討により、炎症により放出されたATPはLPSと共にMφを活性化して、IL-1βとMIP-2の産生が増加して炎症悪化に繋がると示唆された。今後はマウスモデルを使用して更なる検討を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)