2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウエルシュ菌エンテロトキシンのクローディンへの結合様式の解析
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21790418
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戸嶋 ひろ野 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (10400532)
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Keywords | 細菌毒素 / ウエルシュ菌 / クローディン |
Research Abstract |
本研究の目的は、食中毒の原因となるウエルシュ菌エンテロトキシン(CPE)とその特異的受容体でありタイトジャンクションを構成する4回膜貫通型タンパク質のクローディン(Cldn)の認識結合機構を解析し、本毒素の細胞膜傷害機構を明らかにすることを目標としている。 本年度は、CPEとCldnとの複合体について立体構造を明らかにすることを目的に、CPE単独の構造と機能について解析を行った。全長のCPEをC末端及びN末端にHisタグを付加した組換えタンパクとして大腸菌で大量培養し、ニッケルアフィニティーカラムを用いて精製した。この精製標品について結晶化スクリーニングキットを用いて最適な結晶化条件の決定を行い、全長CPEの結晶を得た。最終的に2.0Åの分解能でX線結晶構造解析に成功した。解析の結果、CPEの全体構造は3つのドメイン(DI,DII,DIII)からなり、DIはこれまでの報告通り受容体であるクローディンとの結合ドメインと考えられた。またDII,DIIIドメインはaerolysin、C.perfringensのε-toxin、Laetiporus sulphureus hemolytic pore-forming lectinなどのβ膜孔形成毒素と類似の構造をしていることがわかった。全長CPEの立体構造について既知の報告はなく、本研究は初めてその構造を明らかにした。本研究の成果は、細胞膜傷害毒素に関する新たな知見を提供するものである。結晶構造はPDBに登録済である(論文公表後開示予定)。
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Research Products
(1 results)