2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790457
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡部 綾子 Hokkaido University, 人獣共通感染症リサーチセンター, 博士研究員 (00533423)
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Keywords | 二重鎖RNA / 膜受容体 / Toll-like receptor 3 |
Research Abstract |
本研究は、細胞内に存在するToll-like receptor 3(TLR3)が細胞外からの二重鎖RNA(dsRNA)を認識する際に必須であるdsRNA受容体を同定し、dsRNA取り込み機構を明らかにすることを目的としている。 21年度の計画として、dsRNA受容体の精製と機能解析を行うこととしていた。まず、始めにdsRNA受容体を精製するために以下の2点について検討した。(1)dsRNA受容体を膜表面に発現している細胞(2)細胞膜の精製方法。これらの結果をもとに、精製した膜タンパク質を合成dsRNAであるpoly(I:C)や既にdsRNA受容体と結合していることを明らかにしているCpG-ODNを用いて精製し、より目的タンパク質を効率的に精製できる方法を確定した。精製後得られたサンプルを用いてMS解析を行った。その結果、400種類以上のdsRNA結合タンパク質を得た。これらのタンパク質からバイオインフォマティクスの手法を用いて受容体候補タンパク質を選別した。現在、詳しい解析を進めている。また、受容体を探索する過程で、細胞質内に存在しdsRNA取り込みに関与するタンパク質を得ることに成功し、TLR3を介したdsRNA認識に重要な役割を担っていることを明らかにした。 先に述べたように細胞内に取り込まれた、poly(I:C)が細胞質内をどのように経過して細胞内のTLR3に認識されるか明らかにされていないことから、dsRNA受容体と同様に、重要なタンパク質であると考えられる。このタンパク質については、2009年12月に行われた日本免疫学会にて発表済みである。
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Research Products
(1 results)