2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学的手法を用いた再生医療における移植細胞の腫瘍形成制御システムの開発研究
Project/Area Number |
21790528
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田原 強 The Institute of Physical and Chemical Research, 分子プローブ機能評価研究チーム, 研究員 (20419708)
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Keywords | HSV-TK / 癌 / 再生医療 |
Research Abstract |
がん細胞特異的(未分化細胞特異的)発現ベクターの構築 がん細胞特異的発現制御を行えるベクター構築のために、目的遺伝子(Oct3/4およびc-Myc)のプロモーター領域のクローニングを行った。すなわち、マウスES細胞EB5からゲノムDNAを抽出し、それぞれのプロモーター領域特異的配列を有した数種のプライマーペアを用いてPCRにて増幅を試みた。両プロモーターにおいて、それぞれ一つのプライマーペアで目的サイズのPCR産物が得られたので、目的の配列でことを確かめるために、シークエンサーを用いて確認を行い、マウスOct3/4およびc-Myc遺伝子プロモーターをクローニングすることに成功した。次にこれらプロモーター領域が、がん(未分化)細胞において特異的に機能することを確かめるために、ルシフェラーゼアッセイ用ベクターにサブクローニングを行い、構築することができた。2つのルシフェラーゼ用ベクターのうち、Oct3/4ルシフェラーゼベクターを、Oct3/4タンパク質が発現していることが知られているEB5細胞に導入し24時間後にルシフェラーゼ活性を測定したところ、高い活性を示した。すなわち、このOct3/4プロモーター領域は、未分化細胞において機能することが示された。しかしながら、マウス繊維芽細胞を用いて同様の実験を行ったところ、EB5に比べ低い数値ではあったが活性があったので、未分化細胞特異的な領域を特定する必要がある。一方、c-Mycルシフェラーゼベクターに関しては、現在検討中である。
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