2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子工学的手法を用いた再生医療における移植細胞の腫瘍形成制御システムの開発研究
Project/Area Number |
21790528
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田原 強 独立行政法人理化学研究所, 分子プローブ機能評価研究チーム, 研究員 (20419708)
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Keywords | がん / 再生医療 |
Research Abstract |
がん細胞特異的(未分化細胞特異的)発現ベクターの構築 前年度において癌細胞特異的発現制御を行うベクター構築に向け、c-Myc遺伝子プロモーター領域に焦点をあて、実験を行った。前年度、クローニングしたc-Mycプロモーター領域が、がん(未分化)細胞において特異的に機能することを確かめるために、ルシフェラーゼアッセイ用ベクターにサブクローニングを行い、構築することができた。2つのルシフェラーゼ用ベクターのうち、c-Mycルシフェラーゼベクターを、c-Mycタンパク質が発現していることが知られているマウス胚性幹細胞EB5に導入し24時間後にルシフェラーゼ活性を測定したところ、高い活性を示した。すなわち、予想した通り、このc-Mycプロモーター領域は、未分化細胞において機能することが示された。しかしながらc-Mycプロモーターにおいても、Oct3/4同様、正常細胞において活性が見られた。そこで、正常細胞においてより低い活性であったOct3/4プロモーター領域を制限酵素を用いて配列を短くしながら、正常細胞において機能する領域を調べ、その配列に変異を入れることで、正常細胞におけるプロモーター活性を低くすることが可能となった。この変異Oct3/4プロモーター制御下に蛍光タンパク質GFP遺伝子を繋ぎ、癌細胞特異的GFP発現ベクターを構築した。EB5細胞と正常細胞にこの発現ベクターを導入した後、蛍光顕微鏡下で観察を行ったところ、正常細胞に比べEB5で顕著な蛍光が認められたことから、癌細胞特異的発現ベクターが構築できたといえる。
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