2009 Fiscal Year Annual Research Report
先天性肝内胆汁うっ滞症の包括的遺伝子診断システムの構築
Project/Area Number |
21790543
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鳥居 千春 Keio University, 医学部, 研究員 (70383908)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム |
Research Abstract |
「先天性肝内胆汁うっ滞症」のカテゴリーには進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型、2型、3型、アラジール症候群などが含まれる。臨床症状・検査所見・家族歴から臨床診断をつけることができる場合もあるが、一般に、確定診断には侵襲的な肝臓生検を行うことが必須である。しかし遺伝子診断の実施により非侵襲的に確定診断を得ることが可能となる。我々はすでにアラジール症候群の責任遺伝子であるJAG1遺伝子について熱変性高速液体クロマトグラフィー(DHPLC)法を用いて迅速かつ効率的なスクリーニングシステム、Condition-oriented primer pre-embeded reactor plate (COPPERプレート)法を開発しており、その有用性についても確認している。そこで本研究では、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型、2型、3型の体系的な遺伝子診断システムを新たに開発し「先天性肝内胆汁うっ滞症」の包括的遺伝子診断システムを完成させる。本年度は、当該疾患の原因遺伝子であるすべてのエクソン(進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型:ATP8B1遺伝子27エクソン、2型:ABCB11遺伝子28エクソン、3型:.ABCB4遺伝子28エクソン)に対して、同一PCR条件下で増幅可能なプライマー83対を設計し、設計したプライマー対が正確に増幅しているか確認するためダイレクトシーケンス法により確認した。その結果、非特異的増幅はなく同一PCR条件下で良好な増幅が認められた。またDHPLC解析システムの至適条件の検討も行い包括的遺伝子診断システムを立ち上げることができた。
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