2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスを用いた大腸癌特異抗原結合自己抗体同定による新規診断マーカーの開発
Project/Area Number |
21790545
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
藤田 能久 Osaka Medical College, 医学部, 助教 (70465607)
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Keywords | プロテオミクス / 自己抗体 / 癌診断マーカー |
Research Abstract |
〔平成21年度研究内容〕 ヒューマンサイエンス研究資源バンクより大腸癌細胞株(DLD-1、HT-29)を分譲し、培養、可溶化蛋白を抽出した。 ついで、これら蛋白を混合し、2D-PAGEにて泳動後、分離された蛋白をすべてPVDF膜に転写した。転写され蛋白を抗原として大腸癌、健常人などの血清を1次抗体としてWBを行い、HRP標識抗ヒトIgG抗体を2次抗体とし、抗原・抗体反応したスポットをECLにて検出した。反応スポットを多数症例にて検討したところ、大腸癌患者血性および正常人血清において陽性スポットを各々数箇所認めた。陽性スポットの一つから大腸癌患者血清に特異的に反応する陽性スポットを同定した。 すなわち、大腸癌患者血清中に抗原・抗体反応を示す何かしらの自己抗体の存在が示唆された。ついでこの自己抗体を同定すべく、特異的に反応するスポットの一つを銀染色ゲルより切り出し、還元アルキル化、ゲル内トリプシン消化した後、酵素消化物を溶媒・抽出した。得られた断片化ペプチドをMALDI-TOF/TOF-MSにて質量分析を行ったところ、可溶化蛋白であるβ-tubulinが同定された。 〔意義・重要性〕申請者が行っている2D-PAGE-WB-MALDI-TOF-MS/MSにて新規癌診断マーカー候補になる可能性のあるβ-tubulinを同定した。本研究で採用する実験法は非常に簡便であり、これまであまり注目されていなかった自己抗体に着目して研究を行うことが特徴である。次年度はβ-tubulinに対する自己抗体の感度および特異度を検討すべく、ELISA法を確立する予定である。
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Research Products
(1 results)