2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスを用いた大腸癌特異抗原結合自己抗体同定による新規診断マーカーの開発
Project/Area Number |
21790545
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
藤田 能久 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70465607)
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Keywords | プロテオミクス / 癌診断マーカー / 自己抗体 |
Research Abstract |
〔平成22年度研究内容〕 ヒューマンサイエンス研究資源バンクより大腸癌細胞株(DLD-1、HT-29)を分譲し、培養、可溶化蛋白を抽出した。 ついで、これら蛋白を混合し、2D-PAGEにて泳動後、分離された蛋白をすべてPVDF膜に転写した。転写され蛋白を抗原として大腸癌、健常人などの血清を1次抗体としてWBを行い、HRP標識抗ヒトIgG抗体を2次抗体とし、抗原・抗体反応したスポットをECLにて検出した。反応スポットを多数症例にて検討したところ、大腸癌患者血清および正常人血清において陽性スポットを各々数箇所認めた。陽性スポットの一つから大腸癌患者血清に特異的に反応する陽性スポットの一つを選出した。次いで、これをゲルより切り出し、還元アルキル化、ゲル内トリプシン消化した後、酵素消化物を溶媒・抽出した。得られた断片化ペプチドをMALDI-TOF/TOF-MSにて質量分析を行ったところ、可溶化蛋白であるβ-tubulinが同定された。 ここで、β-tubulinに対する自己抗体が、患者血清中にあることを同定するため、市販化されているrecombinant β-tubulinを購入、SDS-PAGEにて電気泳動後、大腸癌患者血清を用いてWBを行ったところ、対象血清と比較して大腸癌患者血清は優位にβ-tubulinとの反応がみられた。 〔意義・重要性〕本研究では、2D-PAGE-WB-MALDI-TOF-MS/MSにて新規癌診断マーカー候補になる可能性のあるβ-tubulinを同定した。本研究で採用する実験法は非常に簡便であり、これまであまり注目されていなかった自己抗体に着目して研究を行うことが特徴である。本結果により患者血清中に存在する抗β-tubulin自己抗体が大腸癌診断マーカーになる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)