2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本人におけるヒト核内受容体遺伝子多型と疾患の関連研究
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21790549
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 仁子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (20415508)
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Keywords | フェノームスキャン研究 / ヒトCAR (NR1I3)遺伝子多型 / 疾患関連解析 / 高齢者連続剖検例 |
Research Abstract |
本研研究は核内受容体CAR(NR1I3)遺伝子多型と様々な疾患との関連を日本人高齢者連続剖検例において解析した初めての研究である。我々はこれまでに、exon5に存在するrs2307424(P180P)多型のc-allele保持者は高脂血症のリスクが低い傾向にあることを発見した。そこで、このrs2307424多型をマーカーとして4つのTag SNPsを選出し、高齢者連続剖検例から得たDNAを用いて、TaqMan Assay法によりジェノタイプの判定を行った。この判定結果に、臨床および病理診断などのデータを統合して、フェノームスキャン解析を行った。4つのTag SNPsのうちrs3829793多型とrs3813627多型はAPOA2遺伝子の5'-UTR領域に、rs3813628多型はTOMM4遺伝子お5'-UTR領域に、rs2307418多形はhCAR遺伝子のイントロンに位置する変異である。解析の結果、rs3829793多型とrs3813627多型(APOA2遺伝子)およびrs3813628多型(TOMM4遺伝子)は共に、高脂血症のリスクが有意に低いことが分かった。また、hCAR遺伝子の5'-UTR領域に存在するrs55802895多型のa-alleleを1つでも持つ(AG+AA)と、高脂血症のリスクが高くなることが分かった(OR=2.25,95%CI;1.01-5.00,P=0.047)。さらにこの多型のa-allele保持者(AA)はg-allele保持者(AG+GG)と比べて血清HDLコレステロール値が有意に低かった(P=0.0115)。以上の様に、本年度の研究で得られた結果は、コレステロール代謝の調節にCARが関与するという動物(マウス)を用いた研究報告と一致していた。
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Research Products
(3 results)