2010 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける国境流動人口の感染症伝播疫学研究-セックスワーカーとエイズ
Project/Area Number |
21790592
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
蔡 国喜 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (20506381)
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Keywords | 流動人口 / 感染症 / エイズ / 性病 / 社会疫学 / 医療保障 / メコン流域 / 国際保健 |
Research Abstract |
女性セックスワーカーはbridge populationと言われエイズ流行のなかで重要な役割を働いている。中国国境地域の西双版納州A市疾病管理センターの協力により、医療サービスチームが現地の娯楽所(サウナ、クラブ、カラオケ、ホテル、ヘアサロンなど)にいる女性セックスワーカーを訪問し、Mobile AIDS Voluntary Counseling and Testing(VCT)医療サービスを提供した。調査対象者463名にFamily Health International(FHI)のBSS(Behavior Surveillance Survey)質問票によるインタビューをし、採血による梅毒RPR検査、エイズ検査とカウンセリングを行った。その結果は調査対象の性感染症の罹患率が12%に対し、8割(83%)がエイズ検査を受けてない現状を明らかにした。これは国境地域にエイズ流行の拡大に繋がり、国境を越えて周辺国に伝播して行くことが危惧される。他に、娯楽所以外にいる、衛生当局が把握していないセックスワーカー(Invisible FSWs)の存在については、その規模及びエイズ・性病の感染率に関する調査はほぼ空白であり、これからハイリスク集団に対する介入策の最重要課題の一つである。日本社会にも偏見やstigmaの要因で表面に出てない所謂hard-to-reach populationに対するVCT検査や健康教育などの介入が懸念される。
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Research Products
(4 results)