2009 Fiscal Year Annual Research Report
中枢性交感神経-副腎髄質系賦活に対する脳内カンナビノイドの抑制作用機構の解明
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21790627
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
清水 孝洋 Kochi University, 教育研究部・医療学系, 助教 (00363276)
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Keywords | カンナビノドCB受容体 / エンドカンナビノイド / 2-アラキドノイルグリセロール(2-AG) / ストレス反応 / 交感神経-副腎髄質系 / カテコールアミン / 高速液体クロマトグラフィー / コルチコトロピン放出因子(CRF) |
Research Abstract |
ストレスによる交感神経-副腎髄質(SA)系の過剰な活性化は高血圧症、消化性潰瘍、免疫能低下による発癌などを引き起こすことから、この系の中枢性制御機構を明らかにすることはそれら疾病の発症予防および治療に有用と考えられる。 すでに私達は、ラット脳室内に投与したアルギニン-バソプレシン(AVP)によるSA系賦活に、脳内ホスホリパーゼC/ジアシルグリセロールリパーゼ/2-アラキドノイルグリセロール(2-AG)経路を介したアラキドン酸カスケードが関与することを明らかにしている(Shimizu et al., 2004 ; Shimizu and Yokotani, 2008)。近年、この2-AGが脳内エンドカンナビノイド(eCB)(脳内大麻)として機能することが報告されていることから、本年度はコルチコトロピン放出因子(CRF)により惹起された中枢性SA系賦活に対する脳内2-AGのeCBとしての作用を解析した。結果、 1:CRFによる血中カテコールアミン(CA)増加は、2-AG分解酵素阻害薬(MAFP)の脳室内前処置により抑制された。 2:CRFによる血中CA増加は、CB_1受容体遮断薬(AM251)の脳室内前処置により増強された。 3:CRFによる血中CA増加は、CB取り込み阻害薬(AM404)の脳室内前処置により抑制された。 4:CRFによる血中CA増加は、CB_1受容体刺激薬(ACEA)の脳室内前処置により抑制された。 以上の成績から、CRFにより中枢性SA系賦活が惹起された際、脳内で2-AGが内因性に産生され、この2-AGが脳内CB_1受容体を介してCRFによる反応に対し抑制性に作用することが明らかとなった。この成績から、ストレス関連疾患に対するCB_1受容体刺激薬およびCB取り込み阻害薬の有用性が示唆される。
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Research Products
(6 results)