2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓癌における染色体異常の網羅的解析および融合遺伝子の探索
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21790681
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 直久 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 特任講師 (50340089)
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Keywords | FISH / SKY / 染色体転座 / 膵臓癌 / NRG1 / ゲノム |
Research Abstract |
Fluorescence in situ hybridization(FISH)法によりNRG1(neuregulin 1)遺伝子のスプリットを確認した細胞株について、さらに詳細な解析をした。このうちt(8;17)(p11.2;q23), t(8;18)(p23;q12)を有した細胞株Aとt(7;8)(q11.2;p11.2)i(8q)を有した細胞株Bについて、NRG1遺伝子内にさらに多くのプライマーを設定し、さまざまな組み合わせでFISH解析を行ったところ、細胞株Aではエクソン1の近傍に切断点が存在すると考えられた。一方、細胞株Bでの切断点は、エクソン9から17の間に存在すると考えられたが、それ以上切断点を狭めることはできなかった。また、Affymetrixの高密度オリゴヌクレオチドアレイHuman mapping 50K arrayによるゲノムコピー数の解析でもNRG1遺伝子近傍でのコピー数変化を検出したが、FISH解析よりもさらに切断点を狭めることはできなかった。そこで、これまでの切断点のデータを基に、最近我々の研究室で確立したcDNAバブルPCR法により相手遺伝子の同定を試みた。NRG1遺伝子は17個のエクソンからなり、少なくとも9つのアイソフォームからなる。NRG1が関与する融合遺伝子はこれまでに乳癌で同定されており、NRG1遺伝子の5'側に相手遺伝子産物が融合する。これまでに同定された融合遺伝子で相手遺伝子と融合しているエクソンを中心にさまざまなエクソンにプライマーを設定し、cDNAバブルPCR法を行ったが、これまでキメラ遺伝子は同定されていない。現在、アジレント社のSureSelectによる遺伝子キャプチャー法を用いて、イルミナ社の次世代シーケンサーSolexaによる大規模シーケンスによる融合遺伝子の同定を試みている。
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