2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790746
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田中 智文 Keio University, 医学部, 共同研究員 (20468482)
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Keywords | 多能性幹細胞 / ES細胞 / ips細胞 / 心筋細胞 / 心室筋 / 心房筋 / 分化誘導 |
Research Abstract |
胚性幹(Embryonic stem: ES)細胞や誘導多能性幹(Induced pluripotent stem:iPS)細胞は体のあらゆる細胞に分化する能力を有する。心筋細胞へも分化誘導することが可能であるがその効率は低く、安定的かつ効率良く心筋細胞を得るためには技術的な困難を伴う。これまでに我々はNogginと呼ばれるBMPアンタゴニストをマウスES細胞に一過的に添加することにより、極めて効率よく心筋細胞に分化誘導できることを見い出した(Yuasa S. et al., Nature Biotechnology, 2005)(以下Noggin法)。この方法により効率よく心筋細胞に分化誘導することが可能となったが、分化した心筋細胞には心室筋および心房筋細胞が混在しており、心室筋、あるいは心房筋特異的に分化誘導することはできなかった。マウスES細胞にアスコルビン酸を添加すると低率ではあるが、心房筋細胞に特異的に分化誘導できることが報告された(Sato H. et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 2006)(以下AA法)。そこでマウスES細胞を効率よく心筋細胞へ分化誘導できるNoggin法と、低率ではあるが心房筋細胞に分化誘導できるAA法を組み合わせることにより従来法よりも効率よく心房筋細胞へ分化誘導することに成功した。この効果はマウスEs細胞のみならずヒトiPs細胞でも有効であることを確認した。現在、ES/iPS細胞の心房筋細胞への分化メカニズムを解析するとともに心室筋特異的分化法についても検討している。
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