2010 Fiscal Year Annual Research Report
CCNファミリー分子を標的とした肺線維症の病態解析と新規治療法への展開
Project/Area Number |
21790772
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
東 桃代 徳島大学, 病院, 特任助教 (10403750)
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Keywords | 肺線維症 / CCN6 / β1インテグリン |
Research Abstract |
〈研究目的とその意義〉特発性肺線維症は、未だ確立した治療法はなく5年生存率は50%以下と極めて予後不良の疾患であり、病態解明と新規抗線維化薬の開発が重要な課題となっている。今回の研究では肺線維症モデルマウスでのCCNシグナルの関与を明らかにし、新たな抗線維化療法のターゲットとしての可能性を検討することを目的とした。〈研究成果〉CCNファミリーには共通のモジュールを持った6つのメンバー:CCN1/Cyr61、CCN2/CTGF、CCN3/NOV、CCN4/WISP-1、CCN5/WISP-2、CCN6/WISP-3が明らかとなっている。CCN2であるCTGF以外での肺線維化に関するCCNファミリーの検討は少なく、その役割は不明であった。今回の我々の検討により、CCN6/WISP-3がβ1インテグリンを介し線維芽細胞でFAKのリン酸化を介しフィブロネクチンの産生を促進する可能性が示唆された。またマウス肺線維症モデルを用いたWestern blottingの検討では線維化肺では有意にCCN6が発現していた。またIn Vitroの実験でβ1中和抗体である抗CD29抗体で処理することにより線維芽細胞増殖が有意に抑制された。これらの結果から本研究ではCCN6が肺線維症に関与する新たな分子標的となる可能性が示された。
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Research Products
(4 results)