2009 Fiscal Year Annual Research Report
グレリンの糖尿病性自律神経障害に対する病態生理学的意義の検討
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21790877
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
椎屋 智美 University of Miyazaki, 医学部, 助教 (50524196)
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Keywords | グレリン / 糖尿病 / 糖尿病性神経障害 / 自律神経障害 |
Research Abstract |
糖尿病性神経障害の成因はポリオール代謝異常、血行障害、炎症など多因子の関与が考えられており、治療薬の開発も種々行われている。グレリンは、傷害心筋の再生および骨組織において骨新生を促進する作用など、傷害細胞の再生を促すことが明らかとなっている。グレリンの有する傷害細胞の保護・再生作用が、糖尿病性神経障害でみられる傷害された神経細胞に対して効果的なことが期待される。 1. 糖尿病性神経障害に対するグレリン投与の効果 糖尿病性神経障害合併患者、非合併患者、及び健常者を対象としてグレリン0.5μg/kgを静注にて単回投与し、その前後で自律神経機能が改善しているかどうかを解析した。 健常人および合併症のない糖尿病患者へ10時間以上絶食後の早朝空腹時に単盲検で、0.5μg/kgのグレリンまたは生理食塩水を投与し、その直後にテストミールを摂食させた。その前後で15分おきに180分まで採血し、血糖、インスリン、成長ホルモン、グレリン、デスアシルグレリン濃度を測定した。またグレリンは食欲亢進作用を持つため、各時間帯の食欲について、Visual analogue scale : VASを用いて評価した。その結果、健常人においては、グレリン投与時と生食投与時で血糖、インスリンの変動に違いはなく、VASにおいても差はなかった。成長ホルモン、グレリン、デスアシルグレリンはグレリン投与時に有意に高値を示したが、いずれも一過性のもので、投与後90分程度で前値に復した。 合併症のない糖尿病患者においてもほぼ同様で、血糖、インスリンの変動に違いはなく、VASにおいても差はなかった。成長ホルモン、グレリン、デスアシルグレリンはグレリン投与時に有意に高値であった。健常人と同様、一過性の上昇であり、投与後90分程度で前値に復した。
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Research Products
(2 results)