2010 Fiscal Year Annual Research Report
Notchシグナルによる肥満細胞の分化制御機構の解明‘マウスからヒトへ'
Project/Area Number |
21790905
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坂田 麻実子 (柳元 麻実子) 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80451805)
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Keywords | Notchシグナル / 臍帯血 / Hes-1 / レトロウイルス |
Research Abstract |
申請者は、マウスの骨髄球系前駆細胞において、Notch2シグナルが活性化することにより下流の転写因子であるHes-1およびGATA3の発現を介して、肥満細胞の分化を促すことを示した(Proc Natl Acad Sci USA 2008:105:7839-7844)。これは肥満細胞の分化を制御する新しいシグナル機構の発見といえる。 今回の研究は、ヒト肥満細胞の分化におけるNotchシグナルの役割を明らかにすることを目的とした。昨年度の研究において、ヒト臍帯血を固相化したNotchリガンドDeltal-Fcで刺激したが、肥満細胞は分化誘導されなかったことから、遺伝子導入を用いたNotchシグナルの活性化による肥満細胞への分化誘導を試みた。 (1)ヒト臍帯血由来造血幹細胞、前駆細胞に対する遺伝子導入システムの構築:ヒト臍帯血由来細胞に感染するレトロウイルスの系として、ウイルスベクターとしてはpGCDNsam、パッケージング細胞としては293gpg細胞を用いて、臍帯血においてNotchシグナルの下流転写因子Hes-1を発現させる系を確立した。 (2)臍帯血に対する遺伝子導入による肥満細胞の分化誘導:ヒト臍帯血を単核球分離後、CD34陽性分画をMACSにより分取した。Hes-1を発現するレトロウイルスを含む293gpg細胞の上清と共培養後、GFP陽性細胞をセルソーターにより分取し、サイトカイン存在下でメチルセルロースにより培養した。肥満細胞の分化は観察中である。ヒトとマウスの肥満細胞はサイトカイン反応性などの点で異なることが知られており、今後もサイトカインの組み合わせなどの検討を引き続き行う必要があると考えられる。
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[Journal Article] Notch2 signaling is required for proper mast cell distribution and mucosal immunity in the intestine.2011
Author(s)
Mamiko Sakata-Yanagimoto, Toru Sakai Yasuyuki Miyake, Toshiki Saito, Haruhiko Maruyama, Yasuyuki Morishita, Etsuko Nakagami-Yamaguchi, Keiki Kumano, Yagita H, Masashi Fukayama, Seishi Ogawa, Mineo Kurokawa, Koji Yasutomo, Shigeru Chiba
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Journal Title
Blood
Volume: 117(1)
Pages: 128-134
Peer Reviewed
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