2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790924
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松木 絵里 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (80468503)
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Keywords | 造血器腫瘍 / リプログラミング |
Research Abstract |
本研究では細胞の分化に関与するエピジェネティックな変化をいわゆるyamanaka factor(Sox2, Oct4, Klf4, c-Myc)等を用いて変化させることにより、特に造血器悪性腫瘍のうち慢性骨髄性白血病の急性転化をはじめとし、骨髄異形成症候群から急性骨髄性白血病、真性多血症と本態性血小板血症から骨髄線維症または急性骨髄性白血病、濾胞性リンパ腫からびまん性大細胞型リンパ腫、monoclonal gammopathy of undetermined significance(良性M蛋白血症)から多発性骨髄腫への移行といった良性あるいは低悪性度の腫瘍から悪性度の高い腫瘍へと形質転換するものの原因の特定ならびにこれらを標的とした新規治療法の開発を行うことを目的とした研究を行った。本年度の研究としてはまず慢性骨髄性白血病の急性転化例から樹立された既存の細胞株を用い、yamanaka factorを用いたリプログラミングを試みた。これまでの試みではこれら細胞株からはいわゆる多能性幹細胞は得られておらず、より効率のよい遺伝子導入システムの検討やyamanaka factorのほかにリプログラミングを促進する因子(バルプロ酸、細胞内シグナル伝達物資の阻害(MEK阻害剤,TGF-β阻害剤等))の併用によるリプログラミングの促進を試みている。また同時に一部の造血器腫瘍の形質転換のメカニズムを同定することにより、より特異的にリプログラミング、あるいは形質転換を阻害できる因子の同定の可能性についても検討を進めている。
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