2010 Fiscal Year Annual Research Report
免疫性血小板減少性紫斑病の新規マウスモデル作製とそれを用いた免疫病態評価
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21790926
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西本 哲也 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (90528316)
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Keywords | 自己免疫疾患 / ITPマウスモデル / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
これまでの検討で、Treg欠損マウスが自己血小板抗体を介する自己免疫性の血小板減少を自然発症したことから、免疫性血小板減少症(ITP)病態の発症抑制におけるTregの重要性がin vivoで確認された。そこで、本年度では、このTreg欠損マウスにおけるITP病態をさらに詳細に検討することで、in vivoにおいてTregがITP病態を制御するメカニズムを追究することを目的とした。さらに、Treg自体もしくはTregの免疫抑制能に関与している分子を標的とした新規治療法の開発を目指した。 Tregが自己血小板反応性T細胞の活性化を抑制する分子メカニズムの追究として、CTLA-4を阻害することでTreg移植による血小板減少の発症抑制効果が失われるかをin vivoで検討した。CD4^+CD25^-細胞とTregを同時移植したマウスに阻害能を有する抗CTLA-4抗体を投与したところ、血小板減少を誘導できることが示され、TregはCTLA-4を介したシグナルによりITPの発症を抑制していることが明らかとなった。このことからCTLA-4がITPに対する新規治療標的となる可能性が示唆された。 また、Treg欠損マウス作製時の移入細胞数によって血小板減少の発症率が規定されていることが明らかとなり、移入細胞中の自己血小板反応性T細胞の量が発症を規定していることが想定された。ITP患者においても自己血小板反応性T細胞は検出されており、本マウスモデルを用いて自己血小板反応性T細胞のさらに詳細な検討が可能になると考えられた。
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Research Products
(2 results)