2010 Fiscal Year Annual Research Report
リボソームディスプレイによるヒト型抗インフルエンザH5N1抗体作製と高親和性化
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21790960
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
上地 玄一郎 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (10420647)
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Keywords | H5N1 / リボソームディスプレイ法 / ScFv抗体 / パニング / 無細胞発現系 |
Research Abstract |
本研究の目的はリボソームディスプレイ法を用いて臨床応用が可能なヒト型抗H5N1インフルエンザ抗体を単離することである。平成22年度の研究実施計画を要約すると、(1)リボソームディスプレイ法を用いて濃縮したScFvライブラリーから抗原特異的に結合するScFv抗体を単離し、その中和活性やエピトープを同定することである。 コロニーを一つずつ単離し、96穴ディープウェルを用いて合計1800の大腸菌サンプルからScFv抗体を発現させ、その発現量およびH5N1抗原に対する結合能をELISA法により測定した。この内10個のScFvタンパクがH5N1抗原に対して結合能を示した。判定は陰性コントロールより3倍高いOD値を示すクローンを結合陽性サンプルとした。この10クローンを1Lの培地にて培養しHisタグを有するScFvタンパクをCo^<2+>カラム(TALON)により精製した。精製されたタンパク量は1サンプルあたり約6mgであり、良好な発現量を示した。大量培養されたH5N1抗原結合能を有する10クローンの中和活性を測定したところ9クローンは中和活性を示さなかったが1クローンのみ50μg/mlの濃度でH5N1 A/Vietnam/31244/07株に対して中和活性を示した。中和活性を有するScFv抗体を単離したことにより本年度の研究実施計画を達成した。ウェスタンブロット法により中和活性を有するScFv抗体はヘマグルチニンタンパクと結合することが明らかとなった。 このScFv抗体のエピトープをエスケープミュータントウイルスを用いて現在解析中である。
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Research Products
(1 results)