2010 Fiscal Year Annual Research Report
新生児糖尿病の網羅的な病因・病態の解明と分子診断アルゴリズムの作成
Project/Area Number |
21790965
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
鈴木 滋 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (80516394)
|
Keywords | 新生児糖尿病 / 遺伝子 |
Research Abstract |
今年度は、前年度に引き続き、症例の集積ならびに候補遺伝子解析の継続(1)ならびに、新規原因遺伝子同定のため、次世代シークエンサーを用いて、全exonシークエンスを原因不明症例に対し施行した(2)。 (1)については、新規12症例に対し、染色体6q24、KCNJ11、ABCC8およびINS遺伝子解析を行い、6番染色体paternal uniparental disomyを2例に、KCNJ11遺伝子変異を3例に、ABCC8遺伝子変異を1例に同定した。これらの結果は、昨年度までの報告と同様に、これらが主たる原因遺伝子であることが確認され、日本人新生児糖尿病58例中44例(76%;6番染色体異常19例、KCNJ11遺伝子変異19例、ABCC8遺伝子変異6例、INS遺伝子2例)の原因を明らかにした。さらに、新たな候補遺伝子として、INS遺伝子の非翻訳領域、promotor領域の解析も施行したが、これらには変異を認めず、新生児糖尿病の主要な遺伝子ではないことがわかった。KCNJ11およびABCC8遺伝子変異を同定することは、インスリンからスルホニルウレアへの変更することにより、良好な血糖コントロールが絵荒れることが多く、積極的な遺伝子解析をすすめる根拠を示した。 (2)については、上記ならびに、PDX1遺伝子変異を認めない膵低形成症例に関し、全exonシークエンスを行った。その結果、22479SNPsが同定され、そのうち1843SNPsはこれまで報告のないSNPsであった。これらのSNPsの一部に、候補遺伝子と考えられる器官形成に関わる転写因子が同定されており、これらの解析を行っていく。さらに、同様の表現型を示す症例を解析することにより、原因遺伝子同定が可能と考えられ、病態解明に寄与できると思われる。
|
Research Products
(6 results)