2011 Fiscal Year Annual Research Report
新生児糖尿病の網羅的な病因・病態の解明と分子診断アルゴリズムの作成
Project/Area Number |
21790965
|
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
鈴木 滋 旭川医科大学, 医学部, 助教 (80516394)
|
Keywords | 新生児 / 糖尿病 / 遺伝子 |
Research Abstract |
新生児糖尿病(生後6か月未満発症)の原因遺伝子を明らかにすることならびにその血糖コントロール指標を検討した。遺伝子解析として、今年度、新に解析依頼のあった症例およびこれまで解析未施行であった9例に対し、既知遺伝子スクリーニングならびに次世代シークエンサーを用いた新規責任遺伝子の同定を行った。その結果、2症例でpaternal uniparental disomy(pUPD6)を、2症例でKCJ11遺伝子に既報のヘテロ接合変異を同定した。これらの表現型は、KCNJ11遺伝子変異の1例を除き一過性糖尿病であった。既知遺伝子変異を認めなかった1例に、新規責任遺伝子GATA6のナンセンス変異をヘテロ接合性に認めた。この症例は、膵形成不全と先天性心疾患を有していた。同様の表現型を有する他の1症例において、GATA6遺伝子のヘテロ接合性indelを認めた。以上の結果は、6q24遺伝子はこれまで報告同様一過性糖尿病を示すこと、KCNJ11遺伝子変異は一過性の場合も永続性の場合も考慮すべきことを追試するデータである。また、GATA6遺伝子ハプロ不全が先天性心疾患を有する膵形成不全の責任遺伝子であることを初めて明らかとした。 新生児糖尿病の血糖コントロール指標として、HbAlcとグリコアルブミン(GA)を検討した。その結果、HbAlcは胎児ヘモグロビンの影響を受け、血糖コントロールを反映しないこと、GAは血糖と強い正の相関を示した。これまで、新生児糖尿病の血糖コントロールマーカーについての報告はなかったが、初めてGAの有用性を示すことができた。
|
Research Products
(8 results)