2009 Fiscal Year Annual Research Report
全身型若年性特発性関節炎におけるバイオマーカーの探索
Project/Area Number |
21791002
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
青山 三智子 Kyoto Prefectural University of Medicine, 大学院・医学研究科, 助教 (40363981)
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Keywords | 臨床プロテオミクス / バイオマーカー探索 / 若年性特発性関節炎 |
Research Abstract |
小児期不明熱の代表的疾患である全身型若年性特発性関節炎(sJIA)はいまだ病因が不明であり、早期診断および予後予測は極めて困難である。最近、HMGB1を始めとする炎症メディエーターがsJIAの病態に関わる知見が示されたが、それらは特異度が低いため診断に用いるととはできない。そこで本研究では臨床応用を目的に疾患特異的バイオマーカーの探索を行った。血清を用い非変性状態を取り入れた二次元電気泳動法を用いた方法で検討した。既報に従い非変性ゲルで一次元泳動を行った後SDS処理の上でSDS-PAGEを行い、Coomassie brilliant blue染色でスポットを可視化、解析を行いプロファイリングマップを作成した。解析結果では鉄代謝に関わる蛋白群、脂質代謝に関わるリポ蛋白、補体をはじめとした免疫およびスカベンジング機能に関する分子群の発現をみとめたが、現在のところ他の炎症性疾患との明らかな差異を認めていない。より疾患特異性の高い分子群を拾うため銀染色を用いた解析系を確立する予定である。一方、同一患者の異なった時相に関する解析ではプロファイリングデータに差異が認められた。sJIAでは最も予後の悪いマクロファージ活性化症候群に移行する型が知られているため、これらの知見が病態予測に有用であるか否かを検討する。またバイオマーカー不在のため、診療上、ステロイド剤や生物学的製剤などが過剰投与される傾向にあるが、寛解、治癒を的確に判断する分子群およびプロファイリングパターンの解析を引き続き行う。このような炎症を多数蛋白の発現様式の変化から捉えるアプローチはsJIAのみならず他の炎症性疾患診療に役立つ重要な方法と考える。
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