2010 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞のソースの違いに由来する幹細胞Qualityに関する研究
Project/Area Number |
21791026
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Research Institution | 独立行政法人国立成育医療研究センター |
Principal Investigator |
堀内 保臣 独立行政法人国立成育医療研究センター, 成育遺伝研究部, 研究員 (80443125)
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Keywords | 造血幹細胞 |
Research Abstract |
CD34陽性細胞を造血幹細胞としてNOGマウスに移植を行い幹細胞としてのquality評価を行いました。方法は2.5GyのX線照射後、CD34陽性細胞を1匹あたり2.5×10^5個の細胞を静脈内注射し、移植後6カ月目で詳しい解析を行いました。移植後6ヶ月目にマウスを解剖し、その骨髄中のヒト造血細胞を確認しました。まずFACSでFSとSSで展開して、ヒト造血細胞のマーカーであるCD45陽性細胞をヒト細胞として検討すると、臍帯血では59.3%、骨髄では29.8%、末梢血では13.9%のヒト造血細胞が認められました。この結果から臍帯血が最もヒト血液細胞の割合が高いことがわかりました。よって臍帯血由来CD34陽性細胞がもっとも造血再構築能が高いことが示唆されました。次に多分化能をFACSを用いて確認したところT細胞のマーカーであるCD3、B細胞のマーカーであるCD19、顆粒球のマーカーであるCD33すべてのlineageの細胞が確認できました。以上の結果から,これらCD34陽性細胞はマウス骨髄において6カ月の長期にわたり生着していることがわかり、stemnessを有する幹細胞が存在することが示唆されました。さらに、各CD34細胞のstemness能を確認するために、移植したマウスから骨髄を回収し、新たなNOGマウスへの2次移植を行いました。その結果、1次移植で得られた各CD34陽性細胞由来の細胞を移植された2次移植マウスの骨髄中においてもヒトCD45陽性細胞が確認できました。この結果より、いずれのソースも1年の長期にわたり造血を維持できることがわかりました。また、1次→2次NOGマウスに移植された際の、ヒトCD45陽性細胞数から2次移植NOGマウス末梢血1%の造血系再構築に必要な細胞数を求めました。その結果、各ソースの必要細胞数が2倍未満とほぼ同じ必要細胞数を示すことからも、各ソースに含まれる造血幹細胞がもつstemness能は差がないことが示唆されました。
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Research Products
(1 results)