2009 Fiscal Year Annual Research Report
免疫複合体病における治療ターゲットとしての血小板および接着因子の解析
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21791081
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原 肇秀 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 助教 (90380956)
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Keywords | 炎症 / 免疫複合体病 / 血小板 / 細胞接着分子 / アルサス反応 |
Research Abstract |
近年、炎症局所への炎症細胞浸潤における血小板の役割が注目されており、今回、皮膚アルサス反応のマウスモデルにおける血小板の関与を野生型および各種細胞接着分子欠損マウスを用い検討した。それぞれのマウスモデルに血小板を特異的に減少させる薬剤であるbusulfan (Sigma 社)を作用させたのちに皮膚アルサス反応を起こし、血小板減少による炎症の抑制効果の解析を行った。busulfan処理野生型マウスでは未処理野生型マウスに比較し、有意に浮腫および出血反応は抑制され、好中球浸潤および早期の肥満細胞浸潤は減少し、皮膚における炎症性サイトカイン、血小板由来ケモカインの発現は減少していた。P-セレクチンノックアウトマウスおよびPSGL-1ノックアウトマウスではbusulfan処理による炎症抑制効果が同様にみとめられたが、E-セレクチンノックアウトマウスではみとめられず、その作用はP-セレクチンおよびPSGL-1を介していることが示された。皮膚アルサス反応の誘導によって増加をみとめた血中の白血球-血小板凝集塊の割合はbusulfan処理野生型マウスでは有意に減少していた。以上より、皮膚アルサス反応の炎症反応において、血小板は白血球とその表面に発現している細胞接着分子を介して接着・相互作用をきたすのみならず、活性化血小板由来ケモカインの産生を介して炎症反応を修飾している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)