2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規ペプチドNPSの精神疾患モデル動物における役割
Project/Area Number |
21791112
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岡村 斉恵 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 講師 (40527909)
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Keywords | 精神薬理学 |
Research Abstract |
ニューロペプチドS(NPS)は2003年に同定された新規の神経ペプチドである。応募者はこれまでに、統合失調症のグルタミン酸機能低下仮説にもとづいた薬理学的研究と、NPSおよびNPS受容体の生理機能解明に関する一連の研究をおこなってきた。本研究は、現在までに施行し発表されてきたNPSについての研究結果をふまえた上で、NPSが、精神疾患モデル動物において、どのような役割をもっているかを明らかにするために行うものである。 平成22年度は、ニューロペプチドS(NPS)受容体の選択的な受容体遮断薬についての調査研究を実子した。近年、多数の新規のNPS受容体の選択的な受容体遮断薬の発見および合成が報告されている。本研究の申請時は、研究代表者自身が過去に合成および機能研究を行い学術論文にまとめたSHA68を本研究においても使用する予定であった。しかし、新規の物質の報告がこの2年間で相次いだことから、現時点で研究目的にもっとも適切な物質を選択するため、平成22年度は、近年新規に報告された数種類のNPS受容体遮断薬について、研究代表者が以前報告したSHA68を中心に、各物質の選択性、機能、溶解性、入手可能性などの要素の比較検討を行った。 また交付申請書において使用予定であった精神疾患動物モデルである、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体の選択的遮断薬であるMK-801を投与した動物については研究論文が発表されたため、いままで報告がなく学術的により重要性の高いうつ病モデルである学習性無力動物を使用することとした。
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