2010 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害者の脳形態・脳機能異常と生物学的マーカー異常の関連
Project/Area Number |
21791120
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小坂 浩隆 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (70401966)
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Keywords | 児童思春期精神医学 / 広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders ; PDD) / 自閉症(自閉性障害) / アスペルガー障害 / functional MRI (fMRI) / Voxel Based Morphometry (VBM) / Diffusion tensor imaging (DTI) / 血液検査 |
Research Abstract |
昨年度の広汎性発達障害者(自閉症スペクトラム障害者)の脳構造(VBM)研究にひきつづき、脳機能画像(fMRI)研究を行ない国際学術論文に投稿し、受理された。以下、その詳細である。 表情認知課題の脳機能比較(fMRI):【対象と方法】男女広汎性発達障害者9名(23.2+/-6.9歳、flQ112.7+/-20.1)と、男女健常者24名(23.1+/-4.4歳、flQ 110.7+/-8.4)に、表情認知課題のfMRI撮像を行い、SPM5にての群間比較を行った。課題は、顔全体提示、顔上半分(目)提示、顔下半分(口)提示の3種類とし、顔の感情価判断を行わせた。【結果】健常者群では、顔全体提示の際に両側扁桃体の賦活を認め(uncorrected P<0.001)、低い統計閾値では(uncorrected P<0.001)顔上半分、下半分提示の際にも両側扁桃体の賦活を認めた。一方、広汎性発達障害者群では、両側扁桃体の賦活を認めたのは顔下半分提示のみであり、顔全体または顔上半分提示の際は低い統計閾値でも認めなかった。脳賦活とAQの相関を求めた解析では、顔下半分提示の際に後部帯状回の賦活が正の相関を認めた(corrected P<0.05)。【考察】広汎性発達障害者では扁桃体の機能が廃絶しているamygdala theoryの定説を覆し、条件によれば扁桃体機能が十分認められることを示唆した。また、青年期の高機能広汎性発達障害者は、相手の視線認知を回避し、口を中心とした表情にfamiliarityを持つことが推測された。
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Research Products
(3 results)