2009 Fiscal Year Annual Research Report
IFN-γの抗がん作用における新規がん抑制遺伝子Prox1の役割と治療への展開
Project/Area Number |
21791285
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 英治 Kyoto University, 医学研究科, 医員 (70456862)
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Keywords | 食道癌 / 癌抑制遺伝子 / インターフェロン |
Research Abstract |
IFN-gammaは、癌増殖抑制効果が知られているが、その詳しいメカニズムはわかっていなかった。今回我々は、食道癌細胞株において、IFN-gammaが新規癌抑制遺伝子として最近我々が報告したprox1を誘導することを介して、抗がん効果を示すことを明らかにした。用いた食道癌細胞株は、手術によって得られたヒトセルラインである。我々は、IFN-gammaが約30%の食道癌細胞株に抗がん作用があることを示したが、その効果はp53の変異の有無に相関しなかった。まえ、我々は、Stat1のDN型を遺伝子導入した株を作成し、IFN-gammaのProx1誘導が、その株でみられないことを示した。以上から、IFN-gammaのProx1誘導が、Stat1を介することも証明できた。また、Prox1をsiRNAで処理した場合、IFN-gammaの抗がん効果が抑制されたことで、この詳細なメカニズムが解明できた。 Prox1は、強制発現によって、食道癌に対して抗がん作用を示すこともわかっためで、IFN-gamma不応せいの食道がんに対しては、直接Prox1を誘導・導入することが効果的であることも示唆した。 今後は、Prox1を直接誘導する物質を選択することで、より広範囲の食道癌に対する抗がん剤が開発する可能性がある。今後の課題としたい。 また、現在Pro1のKOマウスを作成したので、食道癌に限らないProx1の抗がん効果を検討する材料にしたいと考えている。
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Research Products
(1 results)