2009 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸器外科手術における赤外観察カメラシステムを用いた至適切除範囲の研究
Project/Area Number |
21791334
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
一ノ瀬 修二 Tokyo Medical University, 医学部, 助教 (10424491)
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Keywords | 肺癌 / センチネル / 気腫性嚢胞 / 気胸 / 手術 |
Research Abstract |
【研究内容】(1)平成21年度は平成19,20年度の研究に引き続いて、蛍光法(蛍光色素:インドシアニングリーン、赤外観察カメラシステム:Photodynamic Eye; PDE)による肺癌センチネルリンパ節ナヴィゲーション手術の臨床応用をおこなった。(2)気胸や気腫性肺嚢胞のブラあるいは巨大ブラ切除をする際に、同部を切り込む事で切除線近傍に脆弱部分が出現し、それらが破綻することで再発すると考えられている。そこで切除されたブラにインドシアニングリーンを局注し、それを赤外観察カメラシステムで捕捉するこによってブラの領域を明確に同定する事が可能か臨床研究を行った。【結果】(1)24例に施行して19例(79.2%)でセンチネルリンパ節を同定する事ができた。更に19例中17例(89.5%)においてセンチネルリンパ節の理論が成立していた。またセンチネルリンパ節に転移がなくて、それ以遠のリンパ節に転移を認めたものが2例あった。(2)13例(全例男性、右8例、左5例)に施行し、気胸によるブラが9例で巨大肺嚢胞が4例であった。蛍光法にて切除線近傍にブラが存在すると判定されたものが10例で、充分に正常肺実質を切離したと判定されたものが3例であった。【考察】(1)センチネルリンパ節の理論が成立しなかったものが2例あり、1例目の理由としては原発巣の腫瘍が大き過ぎた事と、センチネルリンパ節より末梢のリンパ節に転移があったためかもしれない。もう1例は腫瘍が大きく導入化学療法後であったため、従来のリンパ流路が変更された可能性が考えられた。現在最もセンチネルリンパ節の同定率が高いとされるラジオアイソトープ法と遜色ない結果であり、今後臨床応用の可能性が示唆された。(2)今後は病理学的に切除ラインを検索し、蛍光法による切除ラインとの整合性についても解析していく計画である。
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