2009 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシング技術を生体へ応用した術中脳機能マッピング法の開発
Project/Area Number |
21791342
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永松 謙一 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (40420038)
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Keywords | 脳機能マッピング / ハイパースペクトルカメラ / リモートセンシング / データマイニング / 可視化 |
Research Abstract |
平成21年度は3年間の研究の初年度として、測定条件の確立を主目的とした。はじめに研究計画に基づき、もやもや病の手術において既に術中脳表記録の実績のある当科所有の赤外線カメラを用いて、脳腫瘍摘出手術中の正中神経刺激下における脳表温度測定を3例試みた。しかしながら、刺激前後での有意な脳表温度変化を解析により抽出することができなかった。理由のひとつとしては、脳活動による脳表温度変化と比して背景温度変化がかなり大きいことがあげられる。症例数を重ねても改善が見込めないと判断し、測定用デバイスを赤外線カメラからハイパースペクトルカメラ(エバ・ジャパン社製)に変更し、温度変化ではなく、脳血流変化によるヘモグロビンの差異を画像化して脳活動をとらえる方針に変更した。これまでにハイパースペクトルカメラでの術中脳表撮影実績が無いため、測定の安全性確認ならびに有効なデータ取得が可能か否かの検討を行った。カメラの手術顕微鏡への接続の可否の検討では、手術の妨げにならないような接続は困難であると判明。また、手術用顕微鏡システムにおいて特定波長光が遮断されており全波長記録が不可能であることが予備実験によって判明した。そのため、外部からハロゲン光源を用いて全波長光を照射し、撮像も外部から行うシステムを構築し光学的調整をおこなった。来年度は本年度で構築したシステムを基に、ハイパースペクトルカメラでの術中脳表記録および解析を行い、正中神経刺激前後での脳活動部位同定を目標とする。
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