2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791411
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
日方 智宏 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (20348684)
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Keywords | PIAS3 / PIAS1 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
申請者は抑制性ジグナル因子であるPIAS3 (Protein inhibitor of activated signal transducer and activator of transcription 3)が破骨細胞分化を負に制御する分子であることをみいだした(J Immunol 2009)。PIAS3を破骨細胞特異的に過剰発現させたマウスでは破骨細胞分化抑制から骨量増加を示した。逆にPIAS3の発現を抑制することで、破骨細胞の分化が亢進することが観察された。さらに、骨芽細胞特異的にPIAS3を過剰発現させると破骨細胞分化に必須のサイトカインであるRANKL(receptor activator of nuclear factor kappa B ligand)の発現も抑制され、破骨細胞ならびに骨芽細胞の二重の機構により破骨細胞分化がPIAS3により抑制されることを見出した。しかし、PIAS3による破骨細胞分化制御は完全な抑制性制御ではなかったことから、本年度の研究では他の分子が相補的に機能していると考え、PIAS3のファミリー分子であるPIAS1が破骨細胞に発現していることを見出した。PIAS1はやはり抑制性のシグナル分子で、PIAS3と同様の標的を有し、結果STAT3と協調的に破骨細胞分化を制御していると予想された。PIAS1の過剰発現では破骨細胞分化の抑制と、破骨細胞分化に必須の転写因子であるc-Fos及びNFATcl(nuclear factor of activated T cells 1)ならびに破骨細胞の分化マーカー分子であるCathepsin Kの発現抑制を認めた。そこで、PIAS1の機能解析をin vivoレベルで行うため、PIAS1の遺伝子欠損マウスを作製することとし、ターゲッティングベクターの構築を終了することができた。
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