2009 Fiscal Year Annual Research Report
Scaffold free軟骨プレート移植による軟骨修復効果
Project/Area Number |
21791420
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長井 敏洋 Tokai University, 医学部, 助教 (20514376)
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Keywords | tissue enginggred carti / scaffold free / allograft / chondromodulin-I |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本白色家兎を用いて骨軟骨欠損モデルを作製し欠損部に骨髄から動員される骨髄由来細胞を満たし、欠損表層部のみにscaffold-free軟骨プレートを移植することで、長期間における欠損内部での修復効果を調べることである。 軟骨プレート移植(CP)群の術後1ヶ月の欠損内部はサフラニン0で濃染されていた。術後3、6カ月と軟骨下骨の形成を認め、軟骨層はサフラニン0の染色性を維持し、II型コラーゲンの発現を認め、I型コラーゲンの発現は認めなかった。修復組織の表層は平滑で宿主軟骨との良好なintegrationを認め、内部では柱状の配列構造をとりtidemarkの形成が認められた。欠損放置(D)群の術後1ヶ月の欠損底部ではサフラニン0の染色を認めるも、欠損表層部は線維組織での修復を認め、術後3、6ヶ月では線維性組織や軟骨下骨の露出を認めた。 術後1ヶ月CP群では肥大軟骨細胞層へ流入せず軟骨下骨で留まる拡張した血管を認めるが、D群では肥大軟骨細胞層へ流入する血管を多数認めた。そして、anti-angiogenesisで報告されるChM-1の発現をCP群の肥大軟骨細胞層に一致して認めるも、D群では認めなかった。一方angiogenesisを示すVEGFの発現をCP群では肥大軟骨細胞層では殆ど認めなかったが、D群では肥大軟骨細胞層で強発現を認めた。 ICRS grading systemを用いた組織評価では、術後3、6ヶ月でD群と比較しCP群で有意に(P<0.05)高値を示した。 関節軟骨の潤滑性に関与すると報告され表層に発現するSZPは、移植前の軟骨プレートで発現を認めなかったが、移植後1か月よりSZPの発現を認め、術後6カ月においても発現を表層に認めた。 6カ月間という長期間の軟骨プレート移植の評価で、骨軟骨欠損部位が硝子軟骨様に修復されることが示された。また、修復表層構造においても正常軟骨と同様の組織特性を認めた。移植早期における欠損内部の修復細胞に対する軟骨プレートの影響が、移植群と欠損放置群の結果の違いを導いたと示唆された。
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Research Products
(3 results)