2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛におけるモルヒネ抵抗性形成の分子機序の検討
Project/Area Number |
21791436
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
土橋 玉枝 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (10375694)
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Keywords | 小胞体ストレス / 蛋白 / 脳・神経 / 神経因性疼痛 |
Research Abstract |
小胞体機能が虚血、再還流、低栄養、低酸素、スーパーオキシド、毒物などの外界からの侵襲や遺伝子変異によって阻害されると、小胞体内に折りたたみ構造の異常な蛋白質が蓄積し、分子シャペロンの産生増加、蛋白合成の抑制、異常蛋白質の分解、細胞死といった小胞体ストレス反応が起こる。近年こうした小胞体ストレス反応が神経変性疾患や躁うつ病、糖尿病を始めとする数々の疾患に関与していることが示唆されている。我々は野生型マウスを用いて神経因性疼痛モデルを作成し、モルヒネ抵抗性を検討した。投与薬剤は内因性の胆汁酸の成分である、taurine-conjugated ursodeoxycholic acid (TUDCA)をモルヒネと併用投与し、野生型神経因性疼痛モデルマウスにおけるモルヒネ抵抗性が抑制されるかどうかを検討した。モルヒネの鎮痛効果は熱刺激を加えるホットプレートテストやプランターテストで評価した。テスト後にマウスの脳、脊髄を摘出し、組織学的に、また、生化学的に、GSK3βなどの細胞内情報伝達分子やBiPなどの分子シャペロンの発現を調べ、モルヒネの鎮痛効果との相関を検討した。TUDCAはシャペロンとして機能し小胞体ストレス反応を抑制する傾向がみられた。また、GSK3β阻害活性を持つバルプロ酸をモルヒネと併用投与して同様に検討を行ったが、バルプロ酸もシャペロンとして機能し小胞体ストレス反応を抑制し疼痛が抑制される傾向がみられた。
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Research Products
(4 results)