2010 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子変異マウスを用いた尿路結石形成におけるオステオポンチン機能部位の解明
Project/Area Number |
21791520
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
東端 裕司 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (10381849)
|
Keywords | 尿路結石 / マトリクス / 分子標的治療 / オステオポンチン |
Research Abstract |
本研究は、尿路結石の形成に係わっているオステオポンチン(OPN)のトロンビン切断部位に注目し、切断型OPNの役割を解明することと、トロンビン切断にて露出される機能的配列を特異的に認識する抗体を作成し、結石モデルマウスの治療を行うことである。 1.OPNトロンビン切断部位欠損トランスジェニックマウスを用いた機能解析:マウスOPNcDNAを変異させ、トロンビン切断領域欠損OPN遺伝子の作製を行った。変異遺伝子とコントロールプラスミドを作成し、偽妊娠させたC58BL/6の卵管内へ移植し、繁殖を行った。 2.抗体を用いたOPNトロンビン切断後のSVVYGLR配列の機能解析:OPNはトロンビンで切断されることによって、SVVYGLR配列(マウスではSLAYGLR配列)が、C末端に表れることによって、α9βlintegrinとの結合能など、炎症細胞の遊走に機能すると考えられる。合成ペプチド(VDVPNGRGDSLAYGLRS)をウサギに免疫して、精製したIgGを生成し、ポリクロナール抗体を作成し、8週齢C57BL/6マウスに、80mg/kgのグリオキシル酸を連日、腹腔内投与し、0,3,6,9日目に、作成した抗SLAYGLR抗体を経静脈的に投与(150μg、400μg)し、形成された結晶につき、定量的、形態学的評価を行った。抗SLAYGLR抗体投与によって、モデルマウスの結石形成部位が、対照と異なり、尿細管の末梢に存在し、結石形成量が低下していることが観察された。抗体投与により結石の微細な形態が異なることを電子顕微鏡で確認した。
|
Research Products
(1 results)