2009 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜症の発症・進展における腹腔内免疫担当細胞の意義
Project/Area Number |
21791543
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甲賀 かをり 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10396723)
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Keywords | 子宮内膜症 / 腹腔内環境 / 免疫担当細胞 / 樹状細胞 / T細胞 / 好中球 |
Research Abstract |
1.腹腔内のCD4陽性T細胞のサブセット解析 子宮内膜症患者の腹腔内貯留液中のCD4陽性T細胞のサブセットを解析した結果、制御性T細胞が、非子宮内膜症患者群に比べて有意に少ないことが分かった。以前の我々の研究で、Th2から分泌されるIL-4、Th17から分泌されるIL17が子宮内膜症細胞の増殖を促すことが示されている。子宮内膜症患者の腹腔内では、制御性T細胞が少なくなっている結果、Th2、Th17などのヘルパーT細胞系の反応が亢進しており、それによって子宮内膜症の発症や進展に関与していることが示された。 2.腹腔内の樹状細胞のサブセット解析 子宮内膜症患者の腹腔内貯留液中の樹状細胞のサブセットを解析した結果、BDCA1陽性骨髄系樹状細胞、BDCA3陽性骨髄系樹状細胞、形質細胞様樹状細胞のいずれについても、非子宮内膜症患者と有意差みとめなかった。骨髄系樹状細胞のうち、マンノース受容体(CD206)陽性細胞は、子宮内膜症患者の腹腔内貯留液中に、有意に多くみられた。これは、子宮内膜症患者の腹腔内で、腹腔内の樹状細胞の抗原取り込み能が亢進していることを示唆している。 3.好中球除去モデルマウスによる子宮内膜症モデルマウス作製 抗Gr抗体を用いて、マウスの好中球を全身的に除去するモデルを用いて、子宮内膜症モデルマウスを作製した。その結果、好中球を除去したマウス群では、マウス腹腔内の子宮内膜症病巣の形成が阻害された。腹腔内の好中球が、子宮内膜症病巣の形成に重要な役割を担っていることが示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Progesterone decreases bone morphogenetic protein (BMP) 7 expression and BMP7 inhibits decidualization and proliferation in endometrial stromal cells.2010
Author(s)
Kodama A, Yoshino O, Osuga Y, Harada M, Hasegawa A, Hamasaki K, Takamura M, Koga K, Hirota Y, Hirata T, Takemura Y, Yano T, Taketani Y.
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Journal Title
Hum Reprod.
Volume: 25
Pages: 751-6
Peer Reviewed
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[Journal Article] Bone morphogenetic protein-6 stimulates gene expression of follicle-stimulating hormone receptor, inhibin/activin beta subunits, and anti-Mullerian hormone in human granulosa cells.2009
Author(s)
Shi J, Yoshino O, Osuga Y, Koga K, Hirota Y, Hirata T, Yano T, Nishii O, Taketani Y.
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Journal Title
Fertil Steril.
Volume: 92
Pages: 1794-8
Peer Reviewed
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