2011 Fiscal Year Annual Research Report
末梢前庭機能回復過程におけるメカニズムの解明を目指して
Project/Area Number |
21791617
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
竹野 研二 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60526903)
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Keywords | 前庭機能 / PCREB / TTX / MK-801 |
Research Abstract |
前庭機能回復過程におけるMK-801投与後の生理学的な経時的変化について研究者が開発した可逆性末梢前庭障害モデルを用い、生理学的にMK-801による中枢前庭の可塑性の経時的変化に関して検討を行った。 方法:前庭機能回復期(TTX投与中止1、3、7、14日後) 上記の群を作成し、それぞれMK-801(0.5mg/kg)を腹腔内投与を行い、30分後に自発眼振数の計測を行った。 結果:TTX投与中止後1日、3日、7日後において、MK-801投与後にTTX投与側への自発眼振を認めた。14日後には認めなかった。TTX投与中止後7日後で最大となり、1日後、14日後と有意差を認めた 従来永続性末梢前庭障害モデルにおける検討によると、MK-801を投与すると障害直後と同様の自発眼振(健側向き)が観察されるとの事だが、当モデルにおける回復期においてMK-801投与を行うと、その逆(障害側向き)であった。末梢前庭機能回復期においては、永続性末梢前庭障害とは異なった中枢の可塑性が存在する事が示唆され、非常に興味深い結果を得る事が出来た。この結果は末梢前庭機能の回復は中枢前庭へ影響を与える可能性、また前庭再入力側への眼振方向優位性をもたらす神経可塑性が存在する可能性が示唆するものと考えられた。 機序を解明する上では、実際の可塑性がどの部位で、特にどの時間に強く働いているのかを解明すべきであり、前庭機能回復期におけるMK-801投与後の中枢前庭におけるpCREBの発現に関する検討を行っていたが、n数が少ない段階で計画終了となり、一定の傾向を得る事ができなかった。
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