2010 Fiscal Year Annual Research Report
振動刺激による平衡感覚の向上-確率共振理論に基づいた複合ノイズ刺激の検討-
Project/Area Number |
21791633
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
長谷川 達央 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (10515951)
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Keywords | 平衡感覚 / 視覚刺激 / SVV |
Research Abstract |
健常被験者に対して、平衡感覚の向上の有無を検討するため、平衡感覚を撹乱するような刺激を負荷して検討しなければならない。そのため視覚的に平衡感覚を撹乱する方法と撹乱するにあたっての最適な刺激の特性について検討した。まず、被験者の前方40cmの位置に100度の視野角でランダムドットが15-60deg/sでroll面で回転する視覚刺激を提示した。平衡感覚の指標としてSVV(subjective visual vertical:被験者が現在立っている地面に対して垂直である方向を選ぶようにインストラクションした)を用いて検討した。ほぼ過去文献どおり、全角速度において有意に平衡感覚が撹乱されることが分かった。ただし、全被験者とも5分以内に嘔気が出現し、比較的長時間視覚刺激に曝露する本研究には不向きであることが確認された。次に被験者の前方に視野角100度の水平線を含むリアルな静止画像を提示し、もっとも平衡感覚が撹乱される刺激を調べた。これについてもSVVで平衡感覚を評価した。その結果水平にたいして10度傾斜させたときに、もっとも平衡感覚が撹乱されることが確認された。この視覚条件では20分間で10人中2人の被験者が軽度の嘔気を訴えたものの、多くの被験者は視覚刺激による自律神経症状は認めなかった。この視覚刺激に曝露させた状態で、振動刺激を負荷し、撹乱された平衡感覚がどのような条件の時に復するのかを検討していく。
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Research Products
(2 results)