2009 Fiscal Year Annual Research Report
弱視症例の網膜断層形態と微小視野および多局所網膜電図による局所機能の比較研究
Project/Area Number |
21791697
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
森 隆史 Fukushima Medical University, 医学部, 助教 (10381386)
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Keywords | 弱視 / 網膜断層像 / 微小視野 / 局所網膜電図 |
Research Abstract |
正常であるとされる弱視眼の網膜に着目し、視力と固視、網膜画像検査、微小視野計および多局所網膜電図を比較検討し、網膜機能と形態変化について横断的に評価し、網膜局所反応と機能との相関の研究を進めている。 平成21年度は研究計画にのっとった観察研究を、福島県立医科大学附属病院眼科外来に通院中の8例の片眼弱視または弱視の既往のある被検者に施行した。8例はすべて不同視弱視であり0その目標症例数を超えた。しかし、斜視弱視の被検者を得られなかった。その要因は斜視弱視例の固視が不安定のため、検査結果の信頼性に影響すると考えられたためであった。 弱視眼の矯正視力は0.6から1.2であった。弱視眼でも固視不良例はなかったが、既報で固視微動や眼振が多局所網膜電図の結果に影響するとされているため、Mayo社製VERIS juniorをもちいた黄斑部多局所網膜電位記録のプログラムはその影響を受けにくい個々の刺激範囲の広いものを用い、また、Nidek社製Micro Perimeterでの微小視野検査には、多局所網膜電図に対応した測定点をプログラムし使用した。Carl Zeizz Meditec社製光干渉網膜断層計シラスHD-OCTでは、屈折による形態差を考慮し、黄斑部のみでなく視神経乳頭周囲の網膜厚の測定も行った。しかし、これまでの症例により、既報で指摘されている網膜厚の屈折度との相関を認めたが、網膜断層像での中心窩陥凹に明らかな形態異常を認めていない。多局所網膜電図では健常眼に比較し弱視眼で最大電位は低かった。測定点での各々の網膜層構造の厚みと微小視野での感度および網膜電位の相関について比較検討を進めている。 研究計画の通り、平成21年度に研究発表は行わなかった。症例数を増加させ22年度にその成果を公表する予定である。
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