2010 Fiscal Year Annual Research Report
局所網膜電図と視神経乳頭形状および網膜神経線維層との関係
Project/Area Number |
21791707
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
宮本 博之 岩手医科大学, 医学部, 助教 (20405830)
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Keywords | 視神経 / 網膜機能 / 網膜電図 / 緑内障 / 動物モデル |
Research Abstract |
目的:動物に視神経障害を作成し、網膜電図(ERG)の網膜神経節細胞(RGC)に由来する成分の変化を検討する。 方法:1)ウサギの硝子体内に網膜神経節細胞の電気応答を抑制するtetrodotoxin(TTX)を投与し、その前後の全視野刺激および多局所ERGを記録した。全視野刺激ERGは34cd/m^2の明順応下で記録し錐体応答を評価した。2)ネコの硝子体内に眼内ギアテルミーを挿入し、顕微鏡下で視神経乳頭周囲を熱凝固した。障害作成1日、2週間、1および3カ月後に視神経乳頭周囲の視神経線維厚を光干渉断層計で計測し、全視野および多局所ERGを記録した。 結果:1)TTXの硝子体内投与によって、全視野刺激ERGの律動様小波は減弱し、photpic negative response (PhNR)振幅も減少した。また、多局所ERGのP1振幅は、TTX投与後に50%振幅が減少した。2)視神経障害作成後、視神経線維層は一時的に肥厚し、その後経過に伴って薄くなった。PhNRの振幅は経過に伴い徐々に低下した。多局所ERGのP1下降脚にあるs波は、視神経障害作成翌日には消失した。その後は変化が無かった。 結論:ウサギおよびネコでは、RGCに由来する電気応答が、全視野刺激および多局所ERGに含まれておりそれらの形成に関与していた。このことから、ERGを用いてRGC機能を他覚的に評価可能と考えられた。
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