2010 Fiscal Year Annual Research Report
多発性硬化症による視神経炎の発症メカニズム解明と新規治療法の開発
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21791726
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Research Institution | 財団法人東京都医学研究機構 |
Principal Investigator |
郭 暁麗 (財)東京都医学総合研究所, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (50443114)
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Keywords | 多発性硬化症 / 視神経炎 / グリア自然免疫 / 抗酸化物質 |
Research Abstract |
本研究では多発性硬化症(MS)の疾患モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の作製にあたりmyelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)ペプチドを用いる。MOG感作によるEAEは強い視神経脊髄炎を示すなど、日本におけるヒトMSのモデルに近いとされており、その有用性が指摘されている。我々はMSによる視神経炎の発症メカニズムを解明するため、まず神経細胞にアポトーシスを誘導するASK1遺伝子の欠損がEAEの重症度に与える影響を調べた。その結果、正常マウスのEAEよりもASK1欠損マウスのEAEの脊髄炎や視神経炎が軽減して、視機能が良好に保たれることがわかった。また新たに合成したASK1阻害剤が脊髄、視神経炎の症状緩和に有効であることを突きとめた(EMBO Molecular Medicine,2010)。以上からASK1の抑制がMS及び視神経炎の治療に有用な可能性が示された。またオリゴデントロサイトの発生に必要なOlig1遺伝子の欠損マウスでEAEを作製したところ、EAEの発症が遅れることが判明した。つまり発症初期におけるOlig1の抑制がMS及び視神経炎の治療に繋がることを示唆した(PLoS ONE,2010)。さらに抗酸化物質であるspermidineをEAEに投与したところ、視神経炎が軽症化することを見出した。Spermidineは大豆、茶葉やキノコに豊富に含まれているため、food factorによるMS及び視神経炎への治療の可能性が示された(Invest Ophthalmol Vis Sci, in press)。
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Research Products
(11 results)