2009 Fiscal Year Annual Research Report
グレリンの抗炎症―抗凝固作用の細胞内シグナリング解明と静脈血栓塞栓症治療への応用
Project/Area Number |
21791773
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
深澤 まどか Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部附属病院, 専攻医 (30530357)
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Keywords | 遺伝子治療 / RNA干渉法 |
Research Abstract |
単球系培養細胞(THP-1細胞)、初代細胞(ヒト又はマウス単球及び好中球)を用いてグレリン及びレプチンの相反する炎症-凝固系に及ぼす作用を、細胞内シグナリング及びサイトカイン産生の変化を定量する事で評価し、更にRNA干渉法による遺伝子ノックダウン法を用いて分子生物学的に検討した。(In Vitro)細胞培養液中にレプチン(10^<-6>-10^<-9>M)、及びグレリン(10^<-6>-10^<-9>M,アシル型及びデスアシル型)を添加し、トロンビン刺激及び無刺激による反応(以下の測定項目)を観察した。 1. サイトカイン発現の定量(Flow Cytometery法、又はELISA法) 細胞内及び培養液中TNF-alphaの発現,細胞表面及びSoluble Tissue Factorの発現定量 2. Tissue Factor Procoagulant Activityの定量(吸光度測定)プロトコール(American Diagnositca社)通り、サンプルにFVII, FXを添加後、FXaを加え405nmの吸光度測定。 3. 細胞内シグナリングの解析(ELISA法、又はFlow Cytometry法) 細胞からタンパクを抽出し、p38MAPK, ERK1/2, AKTのリン酸化をTotal p38MAPK, ERK1/2, AKTと共に測定。Flow Cytometry法の場合、表面マーカーにて血液細胞別の測定が可能。 4. 転写因子活性の測定Egr-1, NF-kB, AP-1等のDNA binding activityを定量(EMSA法) 細胞の核抽出物を用いて行う。 以上のトロンビン刺激により亢進した反応が、グレリン添加により減弱した。これらの結果はグレリンの抗血栓性を示唆するものである。
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