2010 Fiscal Year Annual Research Report
Fgf23遺伝子の発現を制御する新規遺伝子の検索と機能解析
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21791782
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
玉村 禎宏 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特任助教 (70431963)
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Keywords | Fgf23 / 高リン食 / マウス |
Research Abstract |
Fgf23は、骨から分泌されるホルモンとして機能する。すなわち、Fgf23は主に骨細胞から分泌され、血流を介して腎臓に作用し、近位尿細管でのリン再吸収を抑制することにより血中リン濃度を低下させる。多くの遺伝性リン代謝疾患においてFgf23遺伝子発現が上昇することが報告されているが、その発現調節機構は全く解明されていない。本研究では、血中リン濃度の変動によるFgf23遺伝子発現の調節機構を同定することを目的とする。高リン食摂取マウスの頭蓋骨では、普通食摂取マウスと比較して、摂取3時間後からFgf23遺伝子発現の上昇がみられ、最大約6倍の発現上昇が認められた。また長管骨では、摂取24時間後に約2倍の発現上昇が認められた。次に、無機リンが骨におけるFgf23遺伝子発現を直接制御するか調べた。新生児マウスの頭蓋冠を用いた器官培養実験、内在性にFgf23を発現するosteosarcoma由来細胞株UMR-106細胞や骨細胞株MLO-Y4細胞を用いた細胞培養実験で、培養液のリン濃度を変化させてもFgf23遺伝子発現に変化はみられなかった。また同様の実験系で、PFA(phosphonoformic acid)を用いて細胞内リン輸送を阻害してもFgf23遺伝子発現に変化はみられなかった。以上の結果から、血中リン濃度の変動によるFgf23遺伝子発現の調節は、全身的なfactorを介する可能性が強いと考えられた。次に血中リン濃度の変動に応答する細胞を同定するために、脛骨におけるFgf23の免疫染色を行ったが、高リン食摂取マウスと普通食摂取マウスで発現強度や発現部位に顕著な差は認められなかった。今後は、高リン負荷によるFgf23発現上昇が強かった頭蓋骨においてFgf23の免疫染色を行い、その結果を3次元構築することによって血中リン濃度の変動に応答する細胞群を同定する必要がある。またそれらの細胞を組織切片よりmicrodissectionし、遺伝子発現の特性を検討することも考えられる。
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