2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21791789
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
武藤 太郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50403697)
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Keywords | 再生医療 / 歯学 / 発生・分化 / SP6タンパク質 |
Research Abstract |
SP6はSP/KLF転写因子ファミリーに属する転写因子タンパクである。このファミリーに属するタンパクは、3つtandemに並んだzinc fingerモチーフをそのC末端に持つ特徴を有する。SP/KLFファミリーは、胚発生時の組織形成に重要な役割を果たす事が知られており、SP6は歯、手足の指、毛、肺の正常発生に必要である事が知られている。歯の形成においては、SP6は、エナメル形成、象牙質の結晶の形成のみならず、歯の本数をも変化させる働きを持つ。そのため、SP6の機能の理解をする事が、歯の再生のための基礎研究として、重要と考えられる。 歯の再生のための基礎的知見としてのSP6の機能解析のために、SP6トランスジェニックラットの解析を行ったところ、切歯エナメル芽細胞の分化において、Pigmentation stageからPigment release stagoへの移行が当該ラットにおいて妨げられている事が判明した。当該ステージにおけるエナメル芽細胞の電子顕微鏡による観察からは、このステージでの特徴的な現象である、細胞内鉄色素顆粒(フェリチン-鉄複合体と考えられている)のリソソームへの移動が行われているものの、色素の消化の段階が阻害されている事が示唆された。 SP6によるリソソーム機能の障害をin vitroで再現するべく、数種類の細胞株に鉄を取り込ませ、細胞内フェリチンの増減により、リソソーム機能の解析を検討したところである。 歯の形成に重要な働きを示す転写因子SP6の機能を表現型レベルでとらえる事で、歯の再生の基礎的知見の蓄積に貢献すると考えられる。
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Research Products
(1 results)